5.現代最凶カルト、マルクス共産主義をデコードする

前回までの話で、人々を虜にするカルト思想には共通の構成要素があることが分かったと思います。


もう一度まとめてみましょう。


【カルトの構成要素】ここでは階層式に書いてみます。

1.ユートピア夢想:夢を与えて釣る

2.終末論:恐怖で虜にする

3.唯一教:独裁で従わせる

4.財産没収:物理的に支配する


【数式風】あくまでも“風”。仮の表現です

{(終末論+ユートピア夢想)×唯一教}+財産没収=全体主義カルト



現代で最強かつ最凶のカルト思想はマルクス主義

さて前回までの話のなかで少し触れましたが、資本主義によって廃れたキリスト教のカルト性を受け継いだのは「マルクス主義(≒共産主義・社会主義)」です。


現代において最強で最凶のカルト思想は、疑いようもなくマルクス主義だと言えます。※


マルクス主義は思想のなかに上の要素を全て持ちます。

当然です。何故ならマルクス主義は計画的にカルトの全要素を導入したプログラムだからです。


繰り返しますとマルクス主義は、キリスト教その他一神教の再構築として生まれたプログラム。

インテリ若者の頭のなかで自然発生した思想ではありませんし、「人々が平等に暮らせる社会」を願うというタイトル通りの“共産主義”を目的とした思想ですらありません。

共産主義という看板を餌に信者を釣る、大規模な詐欺なのです。


次項から詳しく書きます。



※世界で信奉する人数の多さ・支配力の強さ・信奉者の異常性・結果の悲惨さ(虐殺人数の多さ)などから。

筆者はマルクス主義だけが唯一の危険カルトだ、マルクス主義さえ消えれば世界は平和になる等と主張する者ではありません。今後また新たな名前を持つカルトが生まれる可能性はあります。ただ21世紀前半の現在においてまだマルクス主義は脅威ですし、これを超えるカルト・プログラムは生まれていないと考えられます。




マルクス主義は人間を“機械”と見立てた脳への直接指令プログラムである

マルクス主義のことを看板通りの「経済学」だと思っている人がほとんどでしょう。

そして信者も否定派も、「経済学」として有効だとか誤りだといった論争を繰り返しています。これでは論争が永遠に終わるはずがありません。

どちらも本質を見ておらず、看板に騙されて架空のテーマに踊らされているだけだからです。


そもそもマルクス主義は経済学などではありません

本質・骨組みを見れば、「経済学」の皮で覆われた別物だと分かるはずです。

どちらかと言えばこれまで見てきたカルト宗教と同じグループに属する、経済ではなく人間の脳をターゲットとした思想プログラムです。


マルクスが馬鹿だったから経済学として成立しない論理を提唱したのか? と言うとそれも間違っていて、もとから宗教書として計画的に組み立てられたプログラムに「経済学」のカバーをかけて出版しただけのもの。

確信犯での詐欺なのです。


人間の顕在意識では気付けない特殊な言語を用いたプログラム

マルクス主義は脳へ直接作用するプログラムなのですから、表向きのタイトルや文章から本当の目的が読めるようには書かれていません。

コンピュータへのプログラム言語と同じように特殊な指示言語によって目的へ誘導されるよう設計されています。


「指示言語」とはこの場合、具体的な単語ではなく文章の背後に隠された構造のこと。

構造は人間の顕在意識(目覚めている間の意識)では認知しづらいため、かなり引きの目線で、すなわち俯瞰で眺めなければ判読できないかと思います。

たとえるなら巨大なモザイク画のようなものですね。

思想書をこのモザイク画で例えると、

「寄って見た時の細かい模様が単語・文章

引きで見た時に浮かび上がる絵図が構造

に相当します。


ほとんどの人が部分の単語・文章しか判読しません。

マルクス主義の場合、単語はあたかも「経済学」のようなので多くの人はそのイメージを信じて「経済学」として受け取るわけです。

しかし俯瞰で見た時に浮かび上がる構造は全く別の絵図なのです。


恐ろしいのは、人間の脳は意識できなくともこの全体図を把握しプログラムの指示を受け取っていることです。

自覚なく無意識にプログラムだけが脳で活動することになりますので、コントロールのないままに“本体”である意識が動かされることになります。

さらに集団内の命令に従って行動することで催眠が強化され、やがては脳そのものを変えていきます。※

人格も変貌して均一化していき、上の命令へ無思考に従うロボットとなります。

これがいわゆる「洗脳」です。


なお洗脳もマルクス主義から生まれた言葉です。


※「布教のため」「高尚な革命を果たすため」等という理由付けで事実と異なるプロパガンダを口にしたり(嘘をつく)残虐な殺人を実行することで、現実に脳の感情・感覚をつかさどる部位が退化縮小し人格も変貌していくことが分かっています。



マルクス共産主義をデコードする

「デコード」とは、暗号を解読して元の文へ復元すること。

コンピュータのプログラム言語を解析して一般用語へ復元することも指します。


マルクス共産主義が脳を対象としたプログラムだとするなら、人間の顕在意識が理解できる言葉へ復元できるはずです。


まず「アウトプット(結果=プログラム作成者の目的)」の観点からデコードしてみましょう。


番号をふったタイトルはマルクス主義で使われている暗号文です。

その下の解説はデコード後。プログラム作成者の真に導きたい結末、アウトプットになります。


1.人類は平等な共産主義世界、“ニューワールド”へ到達する

マルクス主義は唯物史観(ゆいぶつしかん)により、人類の歴史は物質的な条件によって進化しており、いずれ当然に共産主義世界へと到達すると説明します。

これはカルト要素1の「ユートピア夢想」に相当しています。

ニューワールド…日本語にすると“新世界”はユダヤ教の聖書に描かれた世界観に近いため、ここはユダヤ教からの転用でしょう。

この要素の目的はもちろん、信者獲得です。

狙い通りに「貧富の差のない完全平等社会」というユートピアに目がくらみ釣られた魚は大勢いて、マルクス主義は世界中で大量の信者を獲得することになりました。


2.資本主義は必ず崩壊し、人類は恐慌に陥る

これも唯物史観による当然の結末として説明されています。資本主義には矛盾があるから崩壊することは避けられず、そのとき人類は恐慌に陥り大量の餓死者が出る。戦争も勃発して人類絶滅寸前に至るのだと説明されます。

カルト要素2の「終末論」に相当。キリスト教およびユダヤ教のハルマゲドンを現代的な言い回しで表現したものです。ここで資本主義が人類を食う悪魔としておどろおどろしくイメージ付けされます。資本主義=敵という脳への刷り込みも兼ねています。

この要素の目的は恐怖によって信者の心を虜にすること。

恐怖の末に生き残った人類(信者)だけが共産主義世界というユートピア、約束の地へ辿り着けるのだと説かれるため、信者は脱会することが難しくなります。


3.プロレタリアート独裁以外で共産主義は実現しない

マルクス主義では独裁政治が絶対的な教義となります。

教祖のマルクスによれば「資本主義と共産主義の間には過渡期があるが…この時期の国家はプロレタリアート(労働者階級)の革命的独裁以外の何物でもありえない」ということだそうです。

唯物史観で当然に共産主義へ到達する…はずなのに実現には独裁が不可避だと言うのは意味不明ですが。実際に共産主義を実現しようと考えるなら独裁以外では実行不可能なため、“当然の帰結”として共産国では独裁が不可避となります。

これはカルト要素3の「唯一教」に相当します。

目的は言うまでもなく構成員たちの思想統一、絶対服従を保つことです。

キリスト教などの伝統宗教の、最も凶悪なカルト性を濃縮して受け継いだ要素と言えます。このため現代では独裁を否定する共産主義も多いのですが不可能でしょう。マルクス主義はこのように、根本構造において独裁と虐殺が100%避けられないようプログラムされているからです。


4.私有財産の禁止、財産没収と共産党政府による富の再分配

マルクス主義は、共産主義世界というユートピアでは「私有財産」という概念が完全に消えるのだと説きます。そのユートピアへ辿り着く前の社会主義国では、まず“生産手段”を政府が所有し富を再分配するとします。

あくまでも“生産手段”だけという建前だったのですが、実際に建国された共産国では工場機械だけではなく土地や蓄財も生産手段とされましたので、国民は全財産を没収された形となりました。特にブルジョワと呼ばれる経営者たちは全財産没収のうえ粛清されています。その他の人民は土地を持つ権利もなくその日の糧を得るために労働するだけの家畜生活へと堕ちました。財産がないために政府の横暴に抵抗することもできません。

これはカルト要素4の「財産没収」に相当します。

目的は人々の生殺与奪の権を握り、抵抗する力を奪って物理的に完全なる支配をすることです。

人類家畜化計画が根底にあると言えるでしょう。



5.暴力至上! レボリューションは永遠なり! 天地反転せよ!

この要素だけは大手の伝統宗教にはないマルクス主義に特徴的なものです。

マルクス主義の重要な教義に「革命」があります。これは正確にはレボリューション(転覆)のことで、東洋における革命の意味とは全く異なります。

レボリューションの目的は天地反転

神様と悪魔を反対に入れ替え、悪魔を君臨させること。

現実においては人類の文化を破壊し(文化大革命)、道徳を破壊し尽くして善悪反転させ、「悪こそ正しい。悪こそ美徳だ」と叫ばれる世の中にすること。どのような犯罪でも自由に行える社会にすることが目的です。人身売買や麻薬売買、快楽殺人などさえ合法化することが最終目標でしょう。



最後の5がマルクス主義の最終アウトプット(目的)だと言えます。

この最終目的が分からないように仕組まれているのがマルクス主義です。極めて宗教的で呪術的なプログラムだと言えます。

「大手の伝統宗教にはないマルクス主義に特徴的な要素」と書きましたが、実際は古代のマニ教や浄土教などの教義を転用していると思われます。これらは現世否定の破壊主義が特徴。暴力推進のイデオロギーへ反映されています。