4.「私有財産の没収」が完全な支配を実現する

ここまで世界中のカルト宗教・思想に共通する構成要素を見てきました。

〔基本カテゴリ〕カルト思想の構造


簡単におさらいしておきます。


カルトの構成要素:

(終末論+ユートピア夢想)×唯一教


最後に挙げるのは一部のカルトだけが持つ最凶の要素です。


この要素を持つ宗教・思想は絶対的に人を支配し家畜化する、完璧な全体主義プログラムだと言えます。

大変危険なので決して信じてはならないし、許容してもなりません。

もちろん悪用厳禁です。


「私有財産の禁止」は最凶。財産没収で“人民”は完全に家畜となる

最凶カルトの決定的要素は「財産を没収する」です。


たとえば「平等社会の実現のため」などと言って私有財産の所有を禁じる思想があります。党政府が再分配する平等なシステムを作るという建前のもと、個人の財産は強制的に没収されます。


それから「お金は不浄のもの」と説いて、極端に高額な寄付や全財産の放棄を宗教団体もあります。貧しさに堕ちることによって魂が救われる、寄付で徳を積み幸せになるなどと説く宗教もあります。


これらの思想や宗教を信じて財産没収に従えば、自由意志を持つ人間としての人生を送ることは叶わなくなると思ったほうがよいでしょう。

何故なら財産を奪われたら個人は自分で生きていく力も、抵抗する力も完全に失うからです。

食糧も得られないのですから逃げることすら叶いません。

住居から食事までその党や団体に依存して生きなければなりませんので、何を命令されても従うほかありません。仲間を殺すことも妻を殺すことも、我が子を殺すことさえも実行しなければならなくなります。獣となり、家畜となるのです。


このように信者を家畜化し完全に従わせるには、「財産没収」という手法が一番有効と言えます。

逆に言えばカルトは、人を家畜化する目的で「金は不浄のもの」だとか「富を再分配して平等社会を実現する」との詭弁を用いるのです。


これはものすごく簡単な詐欺です。

それなのにどうして騙されて自ら財産を差し出してしまうのでしょうか?

少し考えれば分かることだと思うのですが、何故か多くの大人たちが気付かずに詭弁を信じて全財産を捧げてしまいます。


<財産を没収する日本の団体名を書くと記事が表示されなくなってしまうため伏せます。検索してください>


大規模カルトの双璧

ここまでは小規模な日本のカルト団体をご紹介してきましたが、もっと強大なカルトが存在していることを見過ごしてはなりません。


大まかに見て二つの巨大カルトがあります。


キリスト教は全てのカルトの祖

一つは本家キリスト教です。


前回まで書いてきたように、キリスト教は

(終末論+ユートピア夢想)×唯一教

というカルトの基本を世界へ広めた「カルトの祖」とも言える宗教です。


キリスト教も一神教を発明したわけではありませんが、最も広い地域で信者を獲得したため影響力は最大。


現代ではカトリックもプロテスタントも穏健化したために「まともな」伝統宗教に見えていますが、実は全世界で大量虐殺を続けてきた危険極まる宗教でした。

異教徒弾圧・十字軍の虐殺・魔女狩り・アメリカ大陸での原住民虐殺……等々

何の資料を参照しなくともすぐにこれだけの虐殺史が思い浮かびます。


【検索してみてください】Wikipedia「キリスト教による宗教的迫害」(アーカイブ)


このような歴史を明かすと宗教差別に繋がるから言及すべきではない、と言う人もいます。しかし事実は事実、今後の被害を防ぐために歴史を正しく知る必要があるでしょう。


キリスト教が凶悪化した根本要因は「終末論+ユートピア夢想」の要素にあると考えられますが、支配力を増大させたのはやはり財産没収のシステムによると言えます。

初期のキリスト教では入信すると全財産を没収されました。

後に教会システムが張り巡らされ、民の財産を税金に近い形で吸い上げていきます。

“羊”と呼ばれたキリスト教支配下の民、特に農民たちはキリスト教会の家畜としてつながれて千年以上にわたる暗黒時代を忍ぶことになりました。


根本的にキリスト教には「私有財産」という考え方がないことは特筆すべきです。

キリスト教では財産は「神様からの預かりもの」とされるため、所有することはできません。概念上は教会に命じられたらいつでも財産を返還しなければならないものということになります。


前項で例を挙げて解説した通り、人は財産を没収されると何もできなくなりますから団体に依存して家畜とならざるを得ません。


これは権利がない状態。

つまり

私有財産=権利の(実質的な)源

と言えますから、キリスト教が支配していた地域の個人には権利を持たなかったとも言えます。


この状況を打開したのが「株」の登場です。

オランダのチューリップ株への投資を皮切りに資本主義が登場しました。

株投資で多額の儲けを得た個人が権利を意識するようになり、個人主義が醸成され、やがては自由を求めるフランス革命へと繋がっていきます。

資本主義がキリスト教会の支配のくびきを断ち切ったのです。



キリスト教を再構成した最凶カルト、マルクス共産主義

前項で述べたキリスト教の財産の考え方、

「財産は神様からの預かりもの」

「個人は財産を使う権利を持つだけ。私有財産を持つことはできない」

これってどこかで聞いた話だと思いませんか?


そう、現代も隣にある共産国での財産の法律定義です。


隣国では国民が私有財産を持つことができず、全ての財産は党(政府)が所有している定義となっています。

個人が使える財産はあくまでも党から再分配を受けたものだけ。

不動産なども所有する権利はなく、あくまでも期間限定の使用権を与えられているだけです。


私有財産は権利の源だと述べました。

と言うことはつまり、私有財産の所有を禁じる共産国に個人の権利は無いということになります。

現実その通りに共産国の人々には人権がありません。そもそも「人民」と呼ばれていることからも分かる通り、「国」の一員ですらない。家畜としての扱いです。

生まれてから死ぬまで党=国から監視を受け、自由な発言の権利も一切なく、党=国からの命令は絶対。どのような過酷な命令でも従わなければなりません。たとえば家族を殺せと命じられても無条件に従う必要があります。

共産国の人民は、私有財産がないために監視や命令から逃れることさえできないのです。


こう見てくればお分かりの通り、共産国の教義となっているマルクス共産主義はキリスト教の支配構造を強化したプログラムです。

資本主義が誕生してキリスト教は衰退しました。

今では伝統文化としてのキリスト教信仰は残りますが、ほとんど支配力を持ちません。

近年でキリスト教の信徒がその教義に基づいてテロ事件を起こしたり、集団リンチを楽しんだりといった事件は聞きません。

(キリスト教系の新興宗教を除く)


人々が自由を得た世界を憂え、「民をもう一度支配したい! 暗黒世界を再び実現したい!」と強く望んだ支配者がいた……かどうかは分かりませんが。

キリスト教を再構築し支配力を増したプログラムとして、マルクス共産主義が爆誕しました。悪魔崇拝が流行した19世紀のことです。

初めて共産革命が実現した1922年(ソヴィエト建国)以降、マルクス主義は世界中で人類を1億人以上殺戮しました。


まさに人類の敵。

たった百年でキリスト教を超えた殺戮強化プログラムでもあります。


マルクス共産主義は、資本主義が個人の権利を保障して支配を防ぐと分かっているために「資本主義打倒!」と唱えていると考えられます。

「個人主義打倒!」も同じ考えから。

同じように「個人主義は悪!」と唱えている宗教・思想団体には注意したほうがいいかもしれません。



最凶カルトが人類支配を狙っている

資本主義によってキリスト教が人民に対する支配力を失った現代、絶対的支配者となることを望む者たちはマルクス共産主義を使って全人類支配を狙っています。


こう書くと「陰謀論だ」と言う人もいますが現実を見ていきましょう。


ここ数年アメリカなどの自由主義圏で進められている言論統制。

全世界的なSNSの徹底監視と個人情報の吸い上げ。

日本でも猛スピードで進められている権利制限。マイナンバーカードによる統制。国民主権のはく奪、緊急事態条項追加の憲法改正。…等々

これら不自然に進められている改革があることは事実でしょう。


【参考になる書籍案内】

復活したマルクス主義、NWO世界革命の野望

アメリカ共産主義との戦闘「愛国者よ、団結せよ!」


よく言われているようにDS(ユダヤ民族)による支配などではありません。

マルクス共産主義者・社会主義者といった全左翼勢力による“ニューワールドオーダー”、世界革命の実行です。

マルクス主義はソヴィエト崩壊とともに滅んだと信じている人がほとんどですが、実は2000年代以降に新たな形で復活しています。


多くの人々がこの現実に気付いていません。

特に日本人で気付いている人は1%にも満たないと感じます。

私がマルクス主義がヤバいと言うたびに鼻で笑い、「ヤバいのはDSだろ」「ユダヤ人だ」「中華思想だ」と唱える人たちばかり。

日本人は敵は外部の民族だとばかり思っていて、背後で国内左翼が着々と進めている破壊計画に気付いていないのです。


脅威に気付いて戦っているのは意外にも欧米のキリスト教徒たちだけです。

かつてカルトであったキリスト教が凶悪性を脱し、「神」の概念と「道徳」だけ残したのでしょうか?

特にアメリカは資本主義の代表国であり、民主主義のリーダーでもあるため公然と戦っています。

今や元カルトの神だけが人類を救っている、というのは皮肉なものです。


時代は複雑化してきました。

少なくとも道徳に基づく信仰心を持たない者、伝統文化をおろそかにして踏みにじる者は暗黒支配を目指す“人類の敵”だということだけは確かでしょう。

この時代に真の希望となるのはキリスト教もマルクス主義も信じたことがない、第三の信仰を持つ東洋人だと私は考えています。

そして資本主義と民主主義も物理的な力の源となります。手放してはなりません。



続き>>5.現代最凶カルト、マルクス共産主義をデコードする